2つめのアニメーション技法です。簡単な描画を行いますので各自工夫して取り組みましょう。
2つめのアニメーション技法です。簡単な描画を行いますので各自工夫して取り組みましょう。
担任の先生の指示で前回の課題「コマ撮りアニメ」を共有する。
1831年に欧州で発明された、初期のアニメーション機器である。軸に取り付けられた回転する円板であり、円板にはアニメーションのコマに相当する絵が順に描かれており、コマとコマの間にスリットがある。この円板を回転させ、絵を鏡に映し、動くスリットから透かして見る。スリットを通すことでブレがなくなり、「残像」によって絵が動いているように見える。前回のコマ撮りと同じ「仮現運動」が原理である。
・ボード(A3ケント紙:2人1組で半分のA4に裁断して使用する)[配布]
・アニメーションサンプル[配布]
・おどろき盤下絵[配布]
・固定剤(木片など、画鋲がささり手で持てるもの)[配布]
・ダルマ画鋲
・工作道具(はさみ、カッター、カッターマット)
・貼ってはがせるのり(なければマスキングテープ)
◎ 映像による制作手順
1)2人1組になりボード(A3ケント紙)を半分のA4サイズに裁断する。
2)おどろき盤の台紙を、ボード(A4ケント紙)に貼り付ける。フチは剥がれやすいのでノリをしっかりつけること。
3)台紙を貼り付けたら、ハサミを利用してボードを円形に切り抜いていく。
一回ですべて切るのではなく、「ざっくり切り」と「丁寧ぎり」の2回に分けて切ると良い。スリットの部分は特に重要なので、ここは定規を当てながら丁寧にカッターで切り抜く。
4)アニメーションサンプルには、12分割された走る人の連続シルエットが描かれている。これをハサミで切り、1コマの1コマの動きをシミュレーションしながら、並べてみる。事前に番号を書き込んでおくと良い。
5)順番を確認したら、台紙にはりつけていく。底辺が12角形になるようにだいたいの位置を調整する。位置調整が必要になってもキレイに剥がせるように、貼って剥がせるノリを利用するとよい。(普通の糊でもかまわないが、その場合は、課題制作の場合台紙を切るところから再開する。
6)中央部にダルマ画鋲で穴を開ける。中央からずれるとキレイに回転しないので間違わないようにボード・木材の順でダルマ画鋲を用いてしっかり固定する。
くるくるとよく回転するだけの「遊び」を持たせてできあがり。
完成例
驚き盤のアニメーションを実際に見るためにはいくつかの方法がある。本来は以下の2-1にあるように鏡を用いて裏側のスリットから覗くのが正しい方法だが、裏面が黒くないと見えにくいので、今回は前回利用したStop Motion Studioを利用して「2−3:コマドリして映像として動かす」方法でアニメーションを確認する。その他の方法も映像を確認してどのように見えるのか確認しておこう。
◎ 映像による解説
<鏡に向かってアニメーションの面を向け、裏側の黒い面を自分に向け、スリッドから覗くと動いて見える。像は、鏡に映っているので反転している。前向きに回転しているか方向を確認してみよう。
おどろき盤は一般的には鏡を利用して動かすが、点滅する照明を当てれば、直接ボードの上の絵を動かすことが出来る。
iPhoneの「ストロボライトタコメーター」はスマホの照明が発光する間隔を詳細に調整できるアプリである。インストールした後、10.00~15.00ぐらいで点滅量を調整しながら光を当てて回してみよう。回転数が合うところでアニメーションになる暗いところで照明を持つ係と回す人を分担して行うとよい。どのような条件でどのように変わるかをいろいろ試してみよう。
ストロボライトタコメーターはiPhoneしかない。Androidでは「ストロボ」というアプリで照明の間隔が調整できる。ストロボアニメの面白い所は、平面だけではなく、立体のアニメーションにすることまでも可能なことである。たとえば同じ人形が12個を同様に並べ、すこしづつポーズを変えてストロボをあてれば、同じようにアニメーションになる。
前回使用したStop Motion Studioを利用して、おどろき盤を平らな机の上などで30度ずつ回転し、それをStop Mortion Studioで1回転分撮影し、動画に撮って動きを確認してみよう。1コマではなく円盤全体を撮影すること。
*最後のコマのダブリに気をつけること。
自分で台紙に絵を描いてみよう。さきほどのサンプルの裏側を使用して、再度自分で挑戦してみる。絵は手描きでも、KRITAやGimpやInkscape, GravitDesigner, Vectornatorでも描いても良い。
上手に連続画を描くコツを以下の4点にまとめる。
1)いきなり絵を描かずに、まずストーリーを考えよう。
おどろき盤はループするアニメーションである。まずは2コマ程度でオチがつくような簡単なストーリーがよい。どのコマで、どのような動きをするかを考えてから描こう。いきあたりばっかり絵を描くと絵が繋がらない。白紙などをつかってスケッチすると良い。
2)基本となる絵を描こう
それぞれのコマで同じ位置に絵を描くためには、まず位置を決めるコマに基本の絵を描いて、その上に紙を重ねて描いていくと絵の位置がずれない。
3)最初のコマと最後のコマは繋がることを意識する
絵の動きがうまく繋がって見えるためには、急な動きの変化をつけないこと。12コマのうち4つほどを起点となるコマ(キーフレームという)に指定して、後は差分を埋めていく感じでつくる。
4)絵を描く道具は、太めのサインペンなどをつかう。
描線がはっきり見えるほうがわかりやすい。シャープペンやボールペンは細くて動きがはっきり見えにくい。ただいきなり描くのも難しいので、いったんシャープペンで書いてからペン入れすると良い。
■参考:フェナキストスコープ13種類
■参考:SOUR "Life is Music" (Official Music Video) 2013
・おどろき盤を作ってみる。その原理を理解する
・学んだことから自分なりの表現へと展開する
近年は情報技術がますます発達し、我々の生き方や学び方も変わっていくと言えます。もしみなさんが卒業する頃に、ロボットと人工知能が我々の代わりに面倒な事務的な仕事を手早く代行し、我々はもう仕事をする必要が無くなったとしたら・・・あなたは人生で、何をすることに打ち込みますか?
◎授業内で試作した驚き盤の裏面を利用して、オリジナルのおどろき盤を制作する。完成したら平らな机の上で30度ずつ回転し、それをStop Mortion Studioで1回転分撮影し動画として保存しよう。1コマではなく円盤全体を撮影すること。完成した作品は前回同様にyoutubeにアップロードして限定公開し、その共有コードを各クラスのClassroomに提出すること。今回は動画をyoutubeでループ再生するために、タイトルなどはつけない。
締め切り:6/5(月)23:59まで